しば塾の世界史日記

世界史についていろいろ書いていこうと思います。

今日の国際ニュース日記 7月6日

ここしばらく色々あって以前より時間ができるようになったんで、その時間を使って飽きるか忙しくなるまでその日あった国際ニュースに関する日記でも書いていこうと思います。
というわけで今日のニュースはこちら

ウクライナ南部に親露派が「州政府」設置…トップはロシア行政担当者、直接支配進む(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース  【キーウ=深沢亮爾】タス通信などによると、ロシア軍が全域制圧を宣言しているウクライナ南部ヘルソン州で4日、親露派が「州政 news.yahoo.co.jp 

ロシアが現在武力占拠しているヘルソン州において現地の親ロ派が州政府を作りそのトップにロシア政府の関係者を据えたという内容です。このニュースからロシアがヘルソン州において実行支配をより確固たるものにしようと動いていることがわかるでしょう、おそらくロシアは今後住民投票を行なってヘルソン州クリミア半島みたいにロシア本土に編入することも予想できそうです。

ところでロシアはドンバス地方であるドネツクとルガンスクについては傀儡国を作ったあと編入する姿勢を一切見せないのに対しヘルソン州ではロシア系住民の比率と数で言えばドンバスの両地域よりも少ないのに直接編入する気満々なのはなぜでしょうか?答えはクリミアが関係しています。

クリミア半島はロシアの黒海艦隊の拠点であるセヴァストポリ港が存在しロシアの最重要地域の一つであるわけですが実はクリミアは生命線である水をヘルソンを水源とするこの北クリミア運河に頼っているのです。

そのため2014年のロシアによる編入以降ウクライナは運河による水の供給を大幅に減らしクリミア半島の農業は水不足から規模を大きく減らし10分の1ほどしか作付せざるを得なくなり(それでもロシアの補助金で生産額は伸びた)住民も一日3から5時間しか水を利用できてないとの情報もあります。

今回のウクライナ侵攻はクレムリンの様々な思惑が絡んだ戦争です、プーチンの理想はウクライナ全土の掌握、軍部の理想は沿ドニエストルまで至るノヴォ・ロシア地域の獲得、表向きの理想はドンバス地域の開放、しかしながらどの勢力でも共通して挙げる最低限の成果である意味ドンバスより重要なのがこのクリミアの水不足の解消です。なのでロシアはヘルソンへの統治を確固たるものにしようとしているのでしょう。